8/27の土曜に都内へ展覧会を見に行ってきました。
最初は次の日曜日に所用と兼ねて見に行こうと思ったのですが、どちらのギャラリー共日曜休廊。
さすがゆったりしたアートの世界は優雅です。
・第2回ヤング・アーキテクツ・プラザ
-若手建築家による東日本大震災復興支援・建築デザイン展・小さな建築のスタディどちらも建築、それも同年代の若手のもの。正直危機感を持ちながら見に行きました。
最初は外苑前のギャラリーにてヤング・アーキテクツ・プラザを見学。
ギャラリー自体は小さく、10帖前後の部屋を2つ使って構成しています。
最初の部屋は出品者のプロフィールを小さく掛けてある以外は全て被災地の写真です。
3月11日以来様々な形態で目の当たりにしてきた風景ですが、何気ない街並みが津波によって破壊された写真は何度見ても言葉を失います。
とてつもない現実を認識させられた後に、8人の出品作品が展示されている部屋に入ります。
最初感じたのは「非現実」さ。先に見せられた写真が掲げられた部屋の雰囲気と、「提案」が掲げられた部屋の雰囲気、そこには「現実」があるか無いかという根本的な差が感じられます。
しかしそれはどんな人が提案しても埋まらない差でしょう。そもそも「提案」と「結果」と言う違うものを比べているので破綻しています。
提案自体は都市を考えているマクロなものから、住宅を考えているミクロなものまで有りましたが、6案が都市・地域・生活ユニットを提案していたのは震災の大きさを感じさせます。
個人的には五十嵐淳・中村拓志の提案が良かったです。
それ以外の都市型提案は基本的には過去の焼き直しに感じてしまいました。まあ、都市提案と言うと規模が大きいので色々提案できそうに感じますが、実際には「集まって住む」と言う都市の定義に縛られてしまうので似たようになるのでしょう。
期待していた谷尻誠の案はコンセプトで攻めたのでしょうが、概念的過ぎてわからなかったです。
中村案はとても現実的で、敷地さえあれば実現可能だと思う。提案自体は新しい事は無いけれど、昔から日本人がやっていた事を再認識して取り入れた案。他の案で電力の事などを積極的に取り入れて省エネを謳っていたが、こちらの案の方が無理が無く、そして建築家らしかった。
五十嵐案は地元の佐呂間を舞台としている。他の案が被災地である東北を舞台としているのと比べると一瞬違和感があるが、佐呂間の地理を考えると海岸の形態と確率が違うだけで似ている。人口・経済状況などのその他の事は東北と同等に扱えると思う。
そしてその街全体を森にしていく提案。この提案自体は被災地・佐呂間だけでなく日本全体、また全世界に共通して当てはめる事が出来る。扱う舞台は佐呂間と言う小さな街だが、含んでいる内容はとても大きい。とても納得がいく提案だった。
好印象の提案2つを考えると、自分が考えそうな事・やりたい事・同じ意識の事を提案しているものを選んでいます。逆に自分に興味が無い、意識が違うものは選んでいません。ここらへんはやはり直感的になっています。
またこの展覧会では芦沢竜一も参加しています。芦沢氏は安藤忠雄事務所出身で、雑誌でいくつか作品は見ていますが、今回のような提案を見るのは初めてです。プレゼンの方法や内容などにはやはり安藤忠雄の影響が見られます。しかし幅広い中にも細かい配慮と、商人的なサービス性があって面白かったです。
展覧会自体は小さいので1時間も掛からないで廻れます。どれだけそこで自分がとどまるかは好みですが、今回は時間が無いので次へ。

外苑前の駅から地上に出てきた時に気付いたのですが、梅窓院の隣に昨年竣工した谷口吉生のビルが。雑誌「新建築」で少し見ただけだったのですが、実物のプロポーションは流石です。でも思ったより大きくなかった。時間が無くて通りかかった状態で、ディテールなどは確認出来なかったのですが、建物自体が出している端整さは流石です。ただ、パネルの継目が汚れてきているのは残念でした。

外苑前から隈研吾事務所の脇を抜けて青山墓地を経て六本木へ。この道は初めて通ったのですが、都心の中でも緑が有り、古い景色が所々に残っていて面白い。港区・外苑前・六本木・青山とお洒落な勝手なイメージがあるので、予想外の景色が見られて良かった。都内を散歩すると結構こういった景色は沢山あり、自分の固定概念がいかに邪魔をしているかを認識させられる。

結構この対比も好きです。
実家の近所にも同じような対比(田んぼと高層ビル)が有り、都市としての対比の他に自身の地域の対比もあって楽しめます。
六本木に移動して、小さな建築のスタディーへ。
会場が道路に無防備に面していて少しびっくり。
会場はワンルームで12m×5mくらいかな?スケール感が無いので適当です。
そこに30cm角、高さ1.2mくらいの土台の上に模型が置かれているものが、3×5列?ある。壁面はそれぞれの提案を書いたA3の青焼きが貼ってある。半数くらいが図面で、しかも実務で使用している図枠を使っているのが面白かった。
提案はコンセプト重視のものから現実的なものまで様々。提案の仕方も概念的な絵から詳細図まで様々です。自分が若い頃ならばコンセプト重視の表現でも納得行ったのかもしれませんが、現在では表現されていなくても詳細まで落とし込まれた上で出てきた提案の方が納得できます。
ここでも「自分だったら」と考えながら見て、途中で震災に関連した展示なのだと気付いて、展示内容がコミュニティを促すものが多いのに納得しました。
確か25-40歳くらいの年代で構成されているので、正直「何?」と思う内容もありました。その反面確実に自分ではやらないであろう内容に学ぶ所はあると思います。
ここでも納得の行った展示は五十嵐淳と長谷川豪です。
五十嵐案は仮設住宅と言うか、住宅とテントの中間のもの。
スペース的に仮設レベルに抑えられているが、常設の建物にも転用できる内容。外部に張った膜はガラスでは出せない距離感がある。なんとなくモンゴルのゲルを想像したけど、よく考えたらあまり共通がないような気がする。
五十嵐案は模型も現実的で解り易かったが、A3の提案書が良かった。他の作品でも同様な過程を経て実現に至っているのだなと想像できる。
一方の長谷川案は一見するとファンタジー溢れると言うか、女性的と言うか、ストーリーがしっかりした提案。
図面を見ていないから当たり前だが、模型だけを見ると意図は伝わるが目的がわからない。しかしその後、提案書を見ると全てがまとまり、模型が唯一のものになる。見積書も含まれているので、想像の世界から一気に現実のものになっている。
キュレーターの意図なのか、全ての提案書が青焼きだったのは最後まで謎だった。提案内容を見ていると、最終の出力形態を理解していない人がいたのではないか?カラーで表現しようとしていた提案が何案かあって「何故青焼きで?」と感じた。
また、青焼きならば手書き重視で見たかった。青焼きでは設計者としての「線」が無防備に出てくるので、センスではなく技術が見られる。最近大学を出た人とかは描けるのかな?
ついでに言うと、受付の机には全ての提案書が綴じられたA3の冊子が有ったが、せっかくの青焼きなのだから出版物として販売して利益を募金すれば良いのにと思った。青焼きなんて原価が掛からないし、このような展覧会に来る人間には貴重な出版物なので購入する人は多いと思う。
その後、気持ちとしては外苑東通りを通って浜松町の方に抜けたかったのだけど、なぜか麻布十番・東麻布・芝公園と抜けて浜松町へ。麻布十番では面白そうな建物が竣工間際。年内の雑誌で出てくるか楽しみです。
所々で優等生的な建物を参考に見ながら、途中の芝公園付近で面白そうな建物が。

よく見ると住宅みたいだけど、違うかもしれない。
近くで見てタネを知ると何でもないけど、200ピッチの持ち網鉄筋に白い何かを吹付けて外壁にしています。完全に化粧なので、下にしっかりと外壁があります。
遠くからだとぼやけて見えて、木々の多い公園付近にあるので、建物の存在を上手く消して一体化しています。赤羽橋付近で建っているのが違和感ありました。